平成25年度SPP【講座A】



 平成25年8月21日(水)~22日(木)の2日間にわたり、遺伝子組換え入門として、 遺伝子工学の基礎的知識を学び、機器を取り扱うための基本的な操作方法を体験した。

1日目

 午前中に、DNAとはどんな物質かを復習し、実際にDNAを抽出する体験を行った。 また、バクテリアについてその特徴と培養について知り、午後の実験の導入とする。 午後からは遺伝子組み換えについて学び、発光遺伝子を大腸菌に組み込む実験を行った。

 【写真】:マイクロピペットの操作練習をする参加者。チビタン(遠心分離器)を利用して スピンダウン→ボルテックス(攪拌)→スピンダウンの練習も行った。


 午前中に、ニワトリ、ブロッコリー、ヒトのDNAの抽出実験を行った。 自分のDNAを使用するため、実験を行うにあたって、本人だけでなく保護者からの承諾も得た。 午後からは大腸菌にGFP遺伝子を導入する実験を行った。培養結果は翌日観察した。

 【写真】:抽出されたブロッコリーのDNA(白くもやっとしたもの)


2日目

 午前中に昨日の培養結果を観察した。遺伝子組み換えをしなかったDNAを対照区として、 GFP遺伝子およびβ-ラクタマコーゼ(抗生物質に対して耐性を示す)遺伝子を組み換えた 大腸菌との比較をした。培地にはアラビノース(糖)を加え、アラビノースが存在するときのみ GFP遺伝子が発現することを確認。オペロン説を実際に体験することができた。

 【写真】:GFP遺伝子がはたらいて、青く光るコロニーの様子


 2日目の午後には「DNA分析」の実験を行った。あらかじめ用意された試料を使い、 DNAがどのように犯罪捜査等に利用されているかを体験した。

 【写真】:電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色された結果。 左端はマーカー、左から2つ目が目的とする資料、右から3つ目と同じであることが判定できた。


 平成25年8月23日(金)に、遺伝子組換え応用として、自分のDNAを取り出し、 増幅し、遺伝子タイプを調べる実験を行った。


 PCR法を利用して、自分のDNAを増幅させ、第16染色体にあるALU配列の有無を判定させた。 自分のDNAを使うため、本人だけでなく、保護者からの承諾を得た。

 【写真】:抽出した自分のDNAをサーマルサイクラーにセットし、PCR法を開始する様子


 【写真】:増幅したDNAをアガロースゲルにアプライ(試料をセット)する様子。 この後30分程度電気泳動を行った後、エチジウムブロマイドで染色し、結果を観察した。